人はコミュニケーションをする生き物です。対面で話す、文字に書いて手紙に託す、狼煙を上げて離れたところに意思を伝える(!)など、自分の考えを伝える手段をいろいろと持っています。そのコミュニケーションをベースに、人間関係、生活、ビジネスは成り立っています。

「会えばなんとかなる」。

対面コミュニケーションは、科学の進歩とともにどんどん広がりを見せるようになりました。通信技術の発達により、遠方にいる人と気楽にコミュニケーションが取れるようになり、場所という制約に縛られることなく意見交換が行えるようになりました。そういった技術発展に伴いコミュニケーション手段が広がるに連れ、ビジネスも広がり、スピードを増し、カバーする・される範囲も大きく拡大しています。

そこでこのエントリでは、オンライン接客といういわば新しいコミュニケーション手段にフォーカスして、その未来に思いを馳せてみたいと思います、なんとも大げさではありますが(笑)。

オンライン接客の歴史を紐解く

遠隔で相手の姿を見たり見せたりという、今で言う画面共有(コブラウズ)ですが、ブラウザ画面やデスクトップ画面にオペレータが入り込んでコントロールしたり操作したりするという技術自体は、2000年代前半から存在していました。しかし今と比べるとまだまだ大雑把で、専用ツール・アプリが必要でした。

2010年代に入ると、WebRTC技術が登場。WebRTCとは、Webブラウザ上で音声や映像データなどをリアルタイムでやり取りする技術のことで、プラグインやサーバーなどを使わなくてもブラウザ上でビデオチャットなどが利用できます。なんとも便利。

一方で普及したのがSNSです。チャットやメッセージングアプリが市民権を得て、一般ユーザーの生活内に根付きました。テキストコミュニケーションが浸透し始めたのもこの頃です。一部メーカーや金融、サービス業などでは、チャットをベースとした顧客対応・接客チャネルの導入に繋がり、テクニカルサポートなどへと広がりを見せました。特にメッセージングアプリの代表格であるLINEを使った接客は徐々に浸透していきました。その一因が、画像の共有です。パシャっと写メ(古)を撮り、それをそのまま担当者に共有すれば、どこがどう壊れているのか一目瞭然。テクニカルサポートとの親和性の高さを見せています。

また、テレビ電話というコンセプトに基づいた接客サービスも登場しています。支店内のブースにテレビ電話端末を置いて、そこから担当者につなげてもらってコンサルティングやアドバイスを受けられるというサービスです。まさにオンライン接客のハシリ。

そしてこの未曾有のコロナ禍。不要不急の外出は避けるというのが常識になってしまった中で、大きく普及したのがオンライン会議システムです。ビジネスや企業レベルのみならず、飲み会など一般社会にも広く浸透していったオンライン会議システム。Zoomでやるリモート飲み会やオンライン会食は、誰しも一度は経験があるのでは?

そして当然のごとくではありますがこのオンライン会議システム、接客の新しいチャネルとしてリテールや不動産、金融、医療など、幅広い業界で取り入れられ始めています。

オンライン接客って普及してる…?

とはいえ、です。オンライン接客って、普及しているんでしょうか?

もともとオンライン接客では、オペレータや接客員、店員、そしてお客様も、顔を出すことに抵抗感を感じると言います。例えば小売の場合、これまで対面での購入体験では、店のフロアという「場」に入り、その「場」を共有した状態でコミュニケーションが発生していました。が、オンラインでは、お互いにカメラをオンにするまでどんな相手かわかりません。そこに心理的抵抗感を感じてしまい、顔見せNGというようなことになってしまうのもよくわかる気がします。

しかし、コロナ禍で客足が遠のき、そんな事も言っていられなくなった業界では、いち早くオンライン接客を取り込み、ビジネスに活用しています。消費者側でも、急速に普及が進んだこのシステムを、仕事だけでなく普段の生活にも取り込んでいるため、意識に大きな変化が生まれました。行きたくても店舗に行けないが、ECサイトでも店員と相談しながら見たい、決めたい、買いたい。そんなニーズが浮き彫りになり、そこにハマるのがコロナ禍で大きな伸びと普及を見せたオンライン接客ソリューションとなるのは必然でしょう。

これからのオンライン接客

最近、オンライン接客を意識したツールやソリューションが急増しています。

オンライン接客の活用シーンは、ECサイト、店頭接客、そして企業の営業活動と、この3つのエリアに大きくカテゴライズできるかもしれません。このエリアごとにオンライン接客というチャネルを導入する「目的」を見据えて、ソリューションなりツールなりを選択する必要があります。ZoomやLINEなどの既存ソリューションなのか、それとも専用ツールを導入するべきなのか。

たとえばZoom等の場合、通常専用ツールでは困難な1対nに対応しており、コロナ禍で爆発的に普及した背景により一般消費者にとって使いやすいツールとなっています。反面、予約やインビテーションの送付、そして双方でアプリをインストールしなければいけないという部分でボトルネックとなるかもしれません。もちろん、オートメーションなど技術の力で乗り越えられる可能性はありますが、CRMなどといったシステムとの連携に課題も。専用ツールは基本的にWebRTCを活用しているものが多いため、ブラウザ上でやり取りできます。チャットなどとの併用も可能です。

自社でシステムを構築している場合や、特定のCRMやコールセンターソリューションに組み込みたい場合などは、いわゆる出来合いの取っ手出し製品のようなターンキーソリューションでは役不足であるという局面もあるでしょう。セキュリティやコンプライアンスについても、企業としてそこから逃げ出すわけには行きません。その場合はSDKのソリューションが必要になる可能性が高くなります。柔軟なカスタマイズと連携を実現できるSDKであれば、既存のシステムやコールセンターソリューションとの連携も可能になってきます。SDKによるカスタマイズで実現できるセキュリティやコンプライアンスという点で、大きな可能性が見えます。

また、これまでのリアルタイムでやり取りするチャットをベースとしたコミュニケーションから、非同期、つまりリアルタイム性ではないメッセージングベースのコミュニケーションへ移行という点についても、オンライン接客におけるトレンドとして押さえておきたいところです。メッセージングは近年新たなコミュニケーションチャネルとして熱い注目を集めています。海外ではメッセージングに移行している企業が多く存在します。本ブログでも、メッセージングという技術トレンドについて情報発信していきたいところです。

オンライン接客にCBA Live Assist?

弊社では、CBA Live AssistというSDKベースのオンライン接客ツールを展開しております。CBA Live Assistの強みは、「SDKを通じた柔軟でセキュアなシステム連携」という点。特にSDKによる最適化されたシステムの構築・連携が可能なので、既存システムとの柔軟な連動を実現できます。つまり、CBA Live AssistのSDKを利用することにより、簡単に自社アプリ(iOS/Android/Web)、自社ECサイト、PBXに連携させる形で、ビデオ通話やコブラウズ、ドキュメントプッシュ、アノテーションやフォーム入力支援といった、Live Assistのコミュニケーション機能を組み込むことができます。SDK提供のため、柔軟でセキュアな実装が可能です。

CBA Live Assistの導入にご興味をお持ちでしたら、いつでも弊社までお声がけください。